革靴を履いていたら、急に「キュッキュッ」と音が鳴り始めた経験ありませんか?
歩くたびに音が気になって、もうこの靴履きたくない!なんて思った方もいるかもしれません。
Gennojiです。
今回は革靴の音鳴りの原因と対処方法についてお話します。
靴屋で働いていると時々相談を受けるのが「音鳴り」です。
音鳴りの原因の多くは甲革やソールなどの素材同士の摩擦によって起こります。
特に中底やライニングに本革を用いた靴や、ウェルト製法の靴などに発生する割合が多いため、昔は「音の鳴る靴は良い靴の証」なんて言われました。
しかし、現在は音鳴りを喜ぶ人はほとんどいないでしょう。
音鳴りの原因はいくつかあるので詳しく解説します。
甲まわりの音鳴り
甲付近からの音鳴りは多くの場合、革パーツが重なる箇所で革同士が擦れて発生します。
例えば羽根裏とタンが擦れて音が鳴るケースです。
このような場合は案外簡単に改善出来ます。
私が色々と試した中で一番効果が高いのが「ベビーパウダー」を使う方法。
ベビーパウダーを革の擦れている部分に薄く塗ると革同士の摩擦が軽減し音鳴りが抑えられます。
インソールまわりの音鳴り
インソール(中敷)を入れている場合に音鳴りが起きることもあります。
これもインソールの素材と中底が擦れて音が鳴っているケースが多いです。
甲まわりと同様に、インソールと中底の間にベビーパウダーを薄く塗り摩擦を軽減させることが有効です。
また元々付いているインソールの接着が剥がれて音鳴りに繋がっていることもあります。
そのような場合は、購入店舗に相談しインソールを再接着してもらうと良いでしょう。
ソールまわりの音鳴り
ソールを屈曲させる度に「キュッキュッ」とか「パチン パチン」と音が鳴るような場合。
これはソール内部の接着が一部剥がれたことで起こることが多いです。
例えば、中物(コルクなど)やシャンク(ふまず芯)と言った内容物と本底(アウトソール)との接着が剥がれることで音鳴りが発生します。
(濡らしたり長時間湿気が篭っている靴は、ソールが変形し接着が剥がれやすくなります。)
このようなケースでは、履いているうちに自然と音鳴りが解消される場合と、修理しないと音鳴りが直らない場合とがあります。
オールソール(靴底全体の張り替え)修理をすれば直ることが多いので、購入店舗や修理店に相談すると良いでしょう。
最後に
今回は革靴の音鳴りの原因と対処方法についてまとめました。
革靴の音鳴りについては、各メーカーも頭を悩ませている課題のひとつでしょう。
摩擦の少ない素材を使ったり加工方法、接着方法を見直すなどの対応をしていますが、全体重を支えつつ歩くたびに屈曲させられる革靴にとって、音鳴りトラブルを完全に無くすのはなかなか難しいようです。
また靴の履き方が音鳴りに繋がることもあるので、正しい靴の扱い方やサイズ選びを知っておくことも大切です。