「靴作りに興味あるけど、どこで学べるの?」
「靴の学校や教室が色々あるみたいだけど、どこを選べば良いの?」
そんな方の参考になればと思います。
Gennojiです。
今回は、都内の靴作りが学べる学校・教室の選び方についてお話しします。
靴作りに興味を持った方は、ネットで少し調べるだけで様々な靴の学校や教室があることに驚かされると思います。
具体的にどのようなポイントで選べば良いのか?
実際に靴の学校に通っていた私の経験を踏まえて、あなたの目的に合った靴学校・靴教室をご紹介します。
(都内に限定した紹介ですが、選ぶ際のポイントは他の地域の方も参考になると思います。)
趣味でやりたいのか、仕事にしたいのか
靴作りを学びたい理由は人それぞれあると思います。
目的に合った学校や教室を選ばなければ、思っていたのと違うという事態になりかねません。
大きく分けると、靴作りを趣味でやりたいのか、仕事にしたいのか、どちらかになると思います。
・靴作りを趣味でやりたい
趣味で靴作りを始めたい人は、「靴を手作りしてみたい」という方が多いと思います。
実際に革靴の製作はほとんどの工程を手作業で行うことが出来るので、手を動かしてものづくりするのが好きな人には良い趣味になると思います。
趣味でやりたい方には、自分のペースに合わせて通える靴作り教室が良いでしょう。
まず一足を完成させることをゴールにしている教室が多いので、一足作ってみてハマれば通い続けるということも出来ます。
なかには靴作りを一度体験してみて、出来そうなら仕事にしたいという人もいるかもしれません。
そういう方も最初は教室に通うことをおすすめします。
全日制の学校になると、フルタイムで働いている方には仕事との両立が難しいですし、学費も高額になるので、しっかり見定めてから入学を決めた方が良いでしょう。
・靴作りを仕事にしたい
靴作りを仕事にしたいという人には、将来のビジョンをどのように描いているかが学校選びのポイントになってきます。
例えば、
・伝統的な紳士靴の製法を学んで、紳士靴の職人になりたい。
・ビスポーク(オーダーメイド)が出来る職人になりたい。
・アパレルメーカーでレディースシューズのデザイナーになりたい。
・独立して自分のブランドを立ち上げたい。
などです。
学校を選ぶ段階である程度やりたい事のイメージを持っていれば、それに応じた学校を選択できます。
もう少し詳しく説明します。
職人になりたいのか、デザイナーになりたいのか
「靴作り」と一括りにしていますが、大きく分けると職人志望なのか、デザイナー(企画)志望なのかに分かれます。
それによって、職人系の学校にするか、デザイン系の学校にするか選択していきます。
ウェブサイトや説明会で、自分の志望に沿ったカリュラムが組まれているか確認すると良いと思います。
作りたい靴が作れる環境か?
作りたい靴のイメージがある方は、その靴を在学中に作れるようになるのか見定めることも重要です。
具体的にどうすれば良いかというと、在学生が作った靴を見ることです。
全日制の靴学校の多くは、だいたい春先に卒業展示会といった形で在学生の製作物を一般公開します。
展示会を見に行くと分かりますが、学校によってかなり特色の違いがあります。
自由度が高くデザインやコンセプトを重視した作品が多い学校、ハンドソーンウェルテッド製法に限定した作品の学校などです。
実際に在学生の作った作品を見れば、自分がその学校に入ったらどんな靴が作れそうかイメージ出来ると思います。
都内の代表的な靴の学校を紹介します。
靴の学校
・Saruwaka Footwear College(台東区 浅草)
国産ビスポークシューズブランドであるギルド・オブ・クラフツが運営する学校です。
ビスポークブランドが運営しているだけあって、授業内容はかなりビスポーク色が強いことが特徴です。
いわゆる手製靴と言われるハンドソーンウェルテッド製法に特化しており、2年目からはかなり高度な技法も学べます。
ラストメイキングの授業があるのも特徴の一つ。
卒業生の中には、独立してビスポークシューズブランドを立ち上げる人や、手製靴のスクールを運営する人などいます。
代表である山口千尋さんが監修している本「製靴書」を読むと、ここで学べる内容がイメージ出来ると思います。
・文化服装学院 ファッション工芸専門課程 シューズデザイン科(渋谷区 代々木)
https://www.bunka-fc.ac.jp/course/fashionkougeisenmon-katei/shoesdesign-ka/
服飾系専門学校として有名な文化服装学院にもシューズデザインを学べる学科があります。
メンズ、レディースの様々な靴のデザイン・制作を学びながらシューズデザイナーを目指すコースです。
シューズメーカーやアパレルのシューズ部門での企画・デザイン職を目指す人に必要な知識が学べると思います。
また様々な個性が集う学内で、ジャンルを超えて幅広いファッション関係の人脈が作れることも魅力。
・ヒコ・みづのジュエリーカレッジ シューズコース(渋谷区 神宮前)
こちらは服飾品の中でも職人性、専門性の高い分野に特化した専門学校です。
こちらのシューズコースで靴作りに必要な知識や技術を学べます。
メンズからレディース、子ども靴からスポーツシューズまで幅広いタイプの靴のデザイン・製作がカリュラムに入っています。
PCスキルなど学べるプレゼンテーションの授業も多く、就職にも力を入れているようです。
・東京都立城東職業能力開発センター 台東分校 製くつ科(台東区 花川戸)
https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/vsdc/taitou/index.html
これまで紹介した学校とは異なり、都が運営する職業訓練校になります。
シューズメーカー工場で働く為に必要な知識や技能を身につける訓練校です。
量産工場で使われている製造機械などの設備が充実していることも特徴。
一年制で、他の学校と比べて学費が圧倒的に安いこともあり入学試験の倍率が高いです。
続いて、都内の靴作り教室を紹介します。
靴作り教室
・THE SHOEMAKER’S CLASS(荒川区 荒川)
https://www.theshoemakersclass.com/
「MISAWA & WORKSHOP」を運営する三澤則行さんのスクールです。
上で紹介したギルド・オブ・クラフツに勤めていた経歴があり、学べる内容も近いと思います。
趣味の靴作りから職人を目指す人まで対応した教室です。
三澤さんが監修している本「紳士靴を仕立てる」では、手製靴の製造工程が分かりやすく解説されており、これから靴作りを学ぶ人には参考になることが多いと思います。
・Bench Work Study(世田谷区 成城)
「Bench Made」を主宰する大川由紀子さんが運営する靴教室です。
大川さんは、世界最高峰のビスポークメゾンとして名を知られる「ジョン・ロブ・ロンドン」で働いていた経歴をお持ちの職人さんです。
本場英国式のハンドソーンウェルテッド製法が学べます。
・クレマチス銀座(中央区 銀座)
http://clematis-ginza.com/school.html
銀座にお店を構えるビスポークシューズブランド「CLEMATIS」を運営する高野圭太郎さんの靴教室です。
少人数制の教室は月3回/19時〜の開講で、仕事終わりに靴作りを学べます。
・NYC SHOE LABORATORY(板橋区 大山金井町)
ハンドメイドシューズブランド「NAO YOKOO」を運営する横尾直さんの手縫い靴教室です。
横尾さんもまたギルド・オブ・クラフツで勤めた経歴があり、海外でも積極的に作品を発信している職人さんです。
ハンドソーンウェルテッド製法を中心に、一足体験コースから職人養成コースまでレベルに応じて学ぶことが出来ます。
最後に
今回は都内の靴作りが学べる学校・教室の選び方についてまとめました。
靴作りと一言で言っても、伝統的なものから最新技術を使ったものまで様々あります。
ファッションであり道具でもある靴は、知れば知るほど奥の深い世界です。
靴作りを学びたいという人の学校・教室選びの参考になれば幸いです。
手製の靴作りに興味を持った方は、こちらの記事も参考にどうぞ。