新型コロナウイルスの影響で外出自粛の期間が長かったこともあって、「自宅で楽しめる趣味」が注目されました。
このブログに辿り着いた方の中には、「靴づくり」に興味がある方もいるかもしれません。
実際に靴づくりをしなくても、靴の構造について詳しく知りたいという人なら楽しめる内容だと思います。
Gennojiです。
今回は革靴を自作したい人におすすめの参考書を紹介します。
製靴学校に通っていた私が実際に参考にしていた4冊です。
これらの本はすべて紳士靴を手作りするノウハウについて書かれていますが、それぞれに考え方の違いや哲学が感じられとても興味深い内容です。
それではさっそく紹介していきます。
Handmade SHOES FOR MEN
この界隈(?)ではもっとも有名な一冊です。
(製靴学校生は皆持っているというウワサ。)
ハンガリーを代表するシューズブランドVASSの創業者ラズロ・ヴァーシュが著者の一人となっています。
この本は手製紳士靴の世界を網羅した内容となっています。
靴の歴史から、足の構造、採寸、ラストメイキング、デザイン、素材、製靴技術などあますところなく紹介しています。
ヨーロッパにおける靴づくりの考え方が良く分かり、靴好きにとってバイブル的な一冊です。
和訳版【紳士靴のすべて】
現在は、Handmade SHOES FOR MENの和訳版「紳士靴のすべて」も発売されています。
私が購入した頃はまだ英訳版しか手に入らなかったので、辞書を片手に一生懸命読んだ思い出があります。
英訳版には解読する楽しさもあったので、和訳版が発売された時は嬉しいような哀しいような複雑な気持ちでした。
製靴書(せいかしょ)
私も靴づくりを教わった国産ビスポークシューズの第一人者、ギルド・オブ・クラフツ代表の山口千尋先生が監修した本です。
「ビスポーク」「ハンドソーンウェルテッド」に特化した内容で、特に足の採寸から木型製作までの流れにはギルド・オブ・クラフツのノウハウがかなり詰まっています。
靴づくりにおける大切なポイントや、考え方など靴づくりをしている人にとってはとても参考になる一冊です。
靴づくりをしない人でも、足と靴の関係について知識が深められるので一読の価値があります。
紳士靴を仕立てる
「MISAWA & WORKSHOP」を運営する三澤則行さんの本です。
先に紹介した2冊は手製靴の全般的なことを網羅した本でしたが、こちらの「紳士靴を仕立てる」は、実際に手製靴を作り上げる手順に特化した内容となっています。
「オックスフォード」と「ダービー」の2足を作り上げていく様子を写真を交えてかなり事細かに解説しているので、この本自体が手製靴のテキストになります。
さらに、この本で作り方を解説している2足のパターン(型紙)まで付属しています。
この本を見れば、とりあえず靴づくりの各手順はイメージ出来るのではないでしょうか。
手縫い靴のすべて
著者である佐藤幸吉さんの靴づくりにおけるノウハウの集大成がまとめられています。
さらに靴職人として有名な関信義さんが実演工程のパートで技術を披露していることもあり、知る人ぞ知る貴重な本になっています。
一般向けというよりは、靴づくりに携わる人に向けた解説書といった感じで、職人世界の空気感がそのまま現れています。
「パターン作成」と「実演工程」の2パートで構成されており、とくに実演工程のパートでは「ステッチダウン」「マッケイ」「ハンドソーンウェルテッド」「オパンカ」「ノルウィージャン」の5つの製法や高度な手縫いモカまで解説されており、とてもに参考になる一冊です。
最後に
今回は革靴を自作したい人におすすめの参考書ということで4冊の本を紹介しました。
靴づくりに興味を持った方は、まずこれらの本に目を通してみるのも良いと思います。
靴づくりはハードルが高いと思われるかもしれませんが、靴づくり教室なども増えているので一歩踏み込めば一生の趣味として取り組めると思います。
【靴づくり】都内の靴作りが学べる学校・教室どこを選べば良いのか?
製靴書‐ビスポーク・シューメイキング: オーダーからその製作技術と哲学まで