【革靴のお手入れ】シューケア用品よく使うもの・あまり使わないもの

靴のお手入れを始めようと靴売り場や東急ハンズをのぞくと、驚くほど様々なシューケア用品が棚一面に並んでいます。

「何から始めていいかわからない。」

「実際何を揃える必要があるの?」

「あれもこれも勧められたけど、覚えられない。」

そのように戸惑う方もいるんじゃないでしょうか?

Gennojiです。

今回は、シューケア用品よく使うもの・あまり使わないものについてお話しします。

革靴のお手入れをネットで調べると、たくさんの手順やシューケア用品が紹介され、それだけで面倒になってしまう人もいるんじゃないでしょうか?

まず最初に言っておきたいのは、革靴のお手入はとってもシンプルで簡単ということです。

難しい技術が必要なわけではないし、誰でも始められます。

なぜシューケア用品がこれほど複雑多岐になっているかと言えば、それはメーカーのマーケティングもあります。

「靴のお手入れが好き」という人は様々なシューケア用品を使うことを趣味として楽しむのも良いと思います。

しかし、革靴を履く人すべてがたくさん道具を揃える必要はありません。

私は靴屋として多くのお客さんの靴を見てきましたが、靴を長持ちさせるにはお手入れよりも履き方の方が重要だと感じます。

その辺りについてはこちらの記事をどうぞ。

これから革靴のお手入れを始めたいと思っている人に知って欲しいこと

もちろん、お手入れは靴を綺麗に長く履き続けるのに大切なことです。

10年以上ほぼ毎日革靴を履いている私が、

実際に使っているシューケア用品を使用頻度に分けてご紹介します。

毎日使うもの

革靴のお手入れを始めようと思ったら、まず用意して欲しいものです。

・ブラシ

お手入れにはブラシが必須です。

革靴のお手入れの9割はブラッシングと言っても過言ではないです。

それほどブラッシングの工程は重要です。

ブラッシングを習慣的に行っていれば、ホコリが溜まることがなく、擦れ痕も消えるので革靴を綺麗に保つことが出来ます。

ブラッシングを続けていると革本来の艶も増してきます。

どんなブラシを使ってもいいのですが、一番使う道具なのでブラシにはこだわっても良いでしょう。

ある程度の大きさがあるものの方が使いやすく、豚毛や馬毛などの天然の毛を使ったブラシが長く使っても毛がへたれないのでオススメです。

乾拭き用グローブ

こちらも頻繁に使います。

私の場合は、靴を脱いだ後にブラッシング、靴を履く前に乾拭きを習慣にしています。

毎回なんて面倒だと思われるかもしれませんが、数十秒で済むことです。

「靴はその人をあらわす」なんて言われますから、髪をセットするのと同じように靴にも手を掛けてください

1〜2ヶ月に1回くらい使うもの

使用頻度はあまり多くないですが、靴のコンディションを整える為に時々使います。

靴クリーム

靴のお手入れと聞くと、靴クリームを塗ることだと思っている方も多いと思います。

靴を長持ちさせるケアとしては、靴クリームの使用は1〜2ヶ月に1回で十分でしょう。

革にはもともと柔軟性を出す為に油分が加えられています。柔軟性をキープさせるのに必要な油分だけをクリームで与えてやれば良いのです。

クリームの塗り過ぎは革のコシがなくなる原因になり、見た目にも透明感が無くなり曇ったような表情になります。

ブラッシングだけでは艶が鈍ってきたように感じたらクリームを少量使うイメージで使ってもらえればいいと思います。

靴クリームは一般的なビンに入ったタイプやチューブに入ったタイプがありますが、お好みで選んで大丈夫です。

私はコバの補色にも時々靴クリームを使います。

(コバインクほど光沢が出ず自然に仕上がります。)

半年に1度くらい使うもの

日常的に使うことはあまりなく、必ず用意すべきというものでもありません。

クリーナー

クリーナーはお手入れのたびに使うものと思っている人もいるかもしれません。

しかし、私の場合クリーナーを使うことはあまりありません。

古いクリームやワックスが革の表面に固着している場合には使用しますが、こまめにブラッシングをしていれば、そのような状況になることがないからです。

靴屋の私が革靴のお手入れにクリーナーを使わないワケ

クリーナーを頻繁に使用している靴は、着用年数の割に革がへたれてる場合が多いです。

レザーソール用オイル

レザーソールの底面に塗るオイルです。

頻繁に塗る必要はないですが、レザーソールは濡らしてしまうと革が乾燥するので、そういう時には使っています。

ワックス

ワックスと言えば鏡面磨き用と思われるかもしれないですが、それ以外の使い方も出来ます。

表革全体にうっすらとワックスを乗せ乾拭きすれば撥水効果が期待できます。

(けっして鏡面磨きのように厚く塗り重ねるわけではありません。)

革表面にワックスを乗せていると、革内の油分も抜けにくくなりクリームの使用回数も抑えられます。

(クリーム自体にも蝋が含まれているので、必ずしもワックスに頼る必要はないですが。)

ワックスは缶に入ったタイプが定番です。

簡易的に艶が出るリキッドタイプのワックスは、表面に蝋分が固着しやすいのであまりオススメしません。

持ってはいるけど、あまり使わないもの

一応持ってはいるけど、個人的にあまり使わないものです。

デリケートクリーム

これも、お手入れの度に塗る人がいますが、靴クリームと同様に塗り過ぎは禁物です。

油分を加え過ぎると革がフニャフニャになります。

余程革が乾燥している場合か、新品の靴で革が固い場合に内側に塗るという使い方です。

(通常の靴クリームだと蝋が含まれているので内側には使えません。)

防水スプレー

「お手入れの最後には防水スプレーをかけましょう。」

よく聞きますが、個人的にはあまり革靴のお手入れには使いません。

もちろん、防水スプレーを使えばある程度の撥水効果があります。

しかし、防水スプレーをかければ雨の日も大丈夫とまでは言えません。

靴屋の私が革靴のお手入れに防水スプレーを使わないワケ

それよりも、雨の日に適した靴を用意し、少しでも雲行きが怪しければ雨の日用の靴を履くことを徹底した方が楽です。

雨用の革靴用意してますか?雨の日に履く靴について考える。

例外として、スエードの靴(雨の日用)、キャンバススニーカー、傘にはたまに防水スプレーを使っています。

最後に

今回は、シューケア用品よく使うもの・あまり使わないものということで、個人的な使用頻度を例に上げてみました。

もちろん、必要なお手入れは靴を履く環境や革の種類によっても変わります。

本来は靴の状態に合わせて必要なお手入れをするのが正しいです。

ですが、シューケアに関してはあまりに多くの情報が溢れており、重要性の度合いはあまり語られません。

よく店頭で聞くのが、

「前はシューケアを頑張ってたけど、最近あまりやれてなくて。」

という声です。

頑張らないと続かないお手入れ方法では、面倒になるのも早いです。

ですから、

まずはブラッシングだけでいいので続けてください。

玄関のいつでも手に届くところにブラシを置いておいて、数十秒ブラッシングするだけです。

簡単ですよね?

それだけで革靴は全然見違えます。

靴が綺麗だと朝から気分が違いますよ!



あなたの街の靴屋「Life with shoes」の店主。 (@Gennoji_LWS
国内外で靴作りをした元靴職人。
これまで一万人以上の足をみて靴選びのお手伝いをしてきました。
足に合った靴の選び方、印象を良くする靴のお手入れ、靴を長持ちさせる付き合い方をお伝えします。