外見で『良い革靴』を見分ける方法

「そろそろ一足良い革靴が欲しい。」

「だけど、何を基準に選んだらいいのだろう?」

良い革靴が備えているポイントを理解していれば、世間に溢れている情報に踊らされることはありません。

Gennojiです。
今回は外見で『良い革靴』を見分ける方法についてお話しします。

靴の購入を検討する際、ネットで情報収集される方も多いと思います。

ネット情報の多くは「このブランドは〜」や「オススメのブランドは〜」というように、『ブランド』単位で語られているものが多いようです。

ブランド名で靴を選ぶことが悪いとは思いません。失敗を少なくする一つの方法ではあります。

しかし、あなた自身に靴を見る目が備わっていれば、靴選びはもっと自由で楽しいものになるでしょう。

「良い革靴」とは?

「良い革靴」の定義は人それぞれあると思います。
デザインが良い靴、コスパが良い靴、どれも良い靴に違いありません。
足に合う靴がその人にとって最良の靴という考えも多くの人が支持するところでしょう。

足が薄い(細い)人が足に合った革靴を見つけられないワケ

今回お話ししたいのは、履く人のことを考えて誠実に作られた靴を見分けるポイントです。

快適な履き心地の靴を見分けるポイント

履き心地の良い革靴にはいくつか共通するポイントがあります。

靴を選ぶ際に以下のポイントをチェックしてみると良いでしょう。

・ヒールが地面にピッタリ接地するか?

靴売り場で気になる靴を見つけたら、ヒール部分に注目してみましょう。
ヒール全面が地面にピッタリと接地しているでしょうか?ヒールが隙間なく接地している靴は、良い靴の証です。

時々、長時間履いているとヒールが足裏を突き上げてくるような靴がありますが、多くの場合ヒールの接地面が偏っていることが原因です。

腕の良い修理屋さんにヒールを直してもらったら、履き心地まで良くなったという話を聞いたことがありますが、これもヒールの接地面が揃えられたことによるものでしょう。

・ライニング中底にも革を使っているか?

靴の内側の素材に何を使っているかも靴の良し悪しを見分ける一つのポイントです。

革靴のライニング(アッパーの内側)でよく使われるのは、革、合皮、生地といった素材ですが、もちろん一番良いのは吸湿性の良い革のライニングです。

中底も高級靴の多くは革を使っていますが、原価の安い靴は合成紙などを使っています。中底もライニングと同様に、足馴染みの良さや吸湿性を考えると革素材に勝るものはありません。

革靴を履くと蒸れやすいという方は、特に靴の内側の素材に気をつけると良いでしょう。

長く使い続けることが出来る靴を見分けるポイント

せっかく良い革靴を手に入れるなら、長く使い続けたいですよね。

実際に靴が長持ちするかどうかは、履く人の使い方によるところが大きいです。

革靴を長持ちさせる為の心構え

靴選びの際は、以下のポイントを押さえると良いでしょう。

・耐久性のある表革を使っているか?

靴は歩く度に全体重が乗り屈曲されます。それが何万歩と続くわけなので表革には相当な負担が掛かります。

耐久性のある革とはどんなものか?

表面が劣化しにくく、しなやかで、十分な厚み(紳士靴なら1.3mm以上)がある革が良いです。

この条件を満たす革として、高級靴に用いられることが多いのがキップレザー(生後6ヶ月〜2年までの牛革)です。

紳士靴に使われるキップレザーの多くは、銀付き革(革の表面の自然な風合いを活かした仕上げ)として仕上げられています。

革表面に粒々とした自然な風合いがあり、肌理が細かく、しわの入り方も細かくなるのがキップレザーの特徴です。

余談ですが、カーフレザー(日本では6ヶ月以内の牛革と定義)の方が上質では?と思われる方もいるかもしれません。

しかし、実際のところ欧州などではカーフとキップをはっきりと分けていない場合が多く、「カーフ」という名称にキップ程度の革も含まれる場合が多いです。

銀付き革と違って、表面に凹凸がなく均一に加工された革もよく見かけると思います。

こういった革は表面に顔料が厚く塗られていたり、樹脂でコーティングしている為、どうしても経年により表面加工が劣化しやすいです。

また革の肌理が見た目には分からなくなるので、安価で肌理の粗い成牛の革を用いるのが一般的です。

・修理まで考えて設計しているか?

修理のことまで考えられてこそ「本当に良い靴」と言えるのではないでしょうか。

これは、靴の製法というより修理屋さんにとって修理しやすい靴かということが重要です。

例えばグッドイヤーウェルト製法の靴であっても、あまりにコバが削られ過ぎている靴だと、初めてのオールソールからリウェルトが必要になり費用も靴の負担も大きくなってしまう場合があります。

修理などアフターケアについては、購入前によく確認しておくと良いでしょう。

前述の革についても言えることですが、新品時が一番綺麗に見える靴よりも、使うほどに魅力が増すような伸びしろのある靴を選びたいものです。

フィットしやすい靴をシルエットで見分けるポイント

靴のフィット感は履いてみないと分からない。
本当にそうでしょうか?

足の感覚はけっこう曖昧です。

その日の体調や直前に履いていた靴の違いによって感じ方が変わってしまうほどです。

足に合っているかはよく分からないけど、「25.5㎝よりは26㎝の方が良いだろう。」というように消去法で選んでいる人も少なくはないでしょう。

「お店で履いた時は良かったんだけど、一日履いてみたら足に合わなくて。」

そんなご経験をされた方もいるんじゃないでしょうか?

足の感覚だけに頼らず、その靴のシルエットが自分の足の形に合いそうなのか、まずチェックすると良いと思います。

・良い靴は甲が内に傾いている

ご自分の足を観察してみてください。

足の甲の高い部分はどういったラインを描いているでしょうか?

ほとんどの人は、親指の付け根から足首を結んだラインが一番高くなっているはずです。

つまり、足は内側(親指側)の方が高く盛り上がっていて、外側(小指側)に行くほど薄くなっているのです。

あなたの履いている靴はどうでしょうか?

靴も甲の中心線を親指上に近づけた靴ほど、足が靴の中で自然に収まりフィット感が高まります。

しかし、靴を作る側からしたら中心線を内側にずらすほどに、アッパーのパターン(型紙)や成形する際の難易度が高くなります。

靴の形が左右で変わらないコッペパンのような靴は、作り易いのですが足の形を完全に無視しています。

甲の中心線が内側に傾き外側のえぐれのメリハリがしっかり出ている靴ほど、手間のかかった良い靴と言えるでしょう。

最後に

今回は、外見で『良い革靴』を見分ける方法についてまとめてみました。

革靴の価格は、一万円を切るものから数十万円するものまで幅広いです。

一体何が違うのか?

実際にコストの掛かっている靴なのか、それともブランド的価値なのか、それは靴を見る目が養われると分かります。

靴に何を求めるかは人それぞれですが、道具としての革靴の本質はそう変わるものではありません。

皆さんの靴選びがもっと自由なものになれば幸いです。

靴屋の私が友人にオススメする革靴ブランド



あなたの街の靴屋「Life with shoes」の店主。 (@Gennoji_LWS
国内外で靴作りをした元靴職人。
これまで5000人以上の足をみて靴選びのお手伝いをしてきました。
足に合った靴の選び方、印象を良くする靴のお手入れ、靴を長持ちさせる付き合い方をお伝えします。