オールレザーの登山靴を手に入れました。②《初夏の尾瀬へ》

前回に引き続き、最近手に入れた中山製靴の登山靴について綴りたいと思います。

前回の記事では、購入して最初のお手入れまでの話をしました。

今回は、尾瀬でオールレザー登山靴を履いてみた感想をお話ししたいと思います。

尾瀬であればもう少しライトなトレッキングシューズで十分なのですが、オールレザー登山靴を足に慣らす目的があります。

(そして何より、早く履きたかった!笑)

初夏の尾瀬に行ってきました。

今回は群馬県側にある鳩待峠を出発点に設定しました。

東京からだと車で約3時間。

鳩待峠に到着しました。

すでに空気がおいしい!

鳩待峠を出発して竜宮十字路を往復する5時間弱のトレッキングコースです。

いざ出発。

序盤は樹林の中をひたすら下って行きます。

所々足場の悪い場所があったり、直前まで降り続けていた雨の影響で滑りやすい場所もありましたが、中山製靴なかなかの安定感です。

小一時間ほど樹林の中を歩いて、ようやく尾瀬ヶ原に到着しました。

尾瀬と聞いて頭に浮かぶ風景です。

視界が一気に広がり開放感!!

一面に広がるワタスゲの穂に癒されます。

カキツバタの紫色もとっても色鮮やか。

無事、予定時間内に到着。

久しぶりに訪れた尾瀬でとってもリフレッシュ出来ました。

尾瀬は季節によって全然違う表情を見せてくれるのでまたいつか来たいです。

これからもこの靴で色々な山を訪れたいと思います。

オールレザー登山靴を履いてみての感想

それで実際、オールレザーの登山靴を使ってみてどうだったの?という話です。

結論から言うと、オールレザー登山靴かなり良いです!

最初にも話したように、尾瀬であればもう少しソールの柔らかいトレッキングシューズの方が向いているでしょう。

私の中山製靴#900は軽登山用に分類されるとは言え、一般的なトレッキングシューズよりはソールが硬いので、平地の続く尾瀬では疲れるんじゃないかと思っていました。

しかし、結果的には全然問題なく歩けました。

靴擦れすることもなく最後まで快適に履けましたし、カタイ靴特有の安定感、足場が悪い場所での安心感を実感しました。

実際に使うまで気になっていた点を振り返りたいと思います。

・重さは気になるか?

オールレザーは靴自体に重量があります。

しかし前回もお話しした通り、実際履いて重く感じるかはフィット感で違ってきます。

この中山製靴は私の足にとても良くフィットするので、履いていて重さが気になることはありませんでした。

登山靴であればこのくらいの重量感が心地良いと感じるくらいです。

防水性はどうなのか?

前回使用前のお手入れとして防水クリームで撥水加工を施しました。

実際に今回の尾瀬でも雨に降られる場面があったのですが、雨をしっかり弾いており防水性は全く心配ないと感じました。

これからも継続してお手入れしていれば、防水性は問題ないでしょう。

・蒸れやすいのか?

オールレザーは蒸れやすいと耳にしたことがありました。

実際どうだったかと言うと、個人的には蒸れやすいとは全然感じませんでした。

私の中山製靴は、ライニングにも吸湿性の良い革を使っているということが快適さに繋がっていると思います。

(今の主流であるゴアテックスのライニングは防水透湿性素材ですが、けっして蒸れにくいわけではありません。)

また、<finetrack>のドライレイヤーソックスを通常のソックスの下に重ね履きしたことの効果もあると思います。

ソックスを脱いだら足がサラサラしていたので、これはかなりオススメ。

そして、何より重要なのはフィットした靴を履くことです。

他の靴にも言えることですが、サイズの合っていない不安定な靴を履いていると足裏の発汗が増えて蒸れやすくなります。

靴を脱ぎたくならない」がすべての答え

なにより実感したのは、5時間弱歩いた後もまったく靴を脱ぎたくならなかったことです。

このことがすべてだと思っています。

(以前持っていた登山靴は、山を下りるとすぐ靴を脱ぎたくなりました。)

長時間履いていても脱ぎたくならないことは、私にとって足に合う靴の基準になっています。

ソールが硬く厚い革を使用した登山靴にもこれが当てはまるというのは驚きでした。

靴を選ぶ理由は人それぞれ

私はオールレザーが最新の登山靴より優れているとか、そういうことを言いたいわけではありません。

それぞれに特徴があり、目的に沿った靴を選ぶことが何より大切だと思います。

私がオールレザーの登山靴を選んだ理由のひとつは、長く使いたいからです。

現在主流の登山靴は寿命がだいたい4〜5年と言われています。

それ以上使ってしまうと、ソールが劣化して剥離してしまう可能性があります。その為、だいたい4〜5年に一度買い替えるのが一般的です。

(重登山靴の場合はソール修理に対応しているメーカーもありますが。)

手製のオールレザー登山靴は修理をしながら何十年と使えるのが大きな魅力。

個人的には靴を消耗品として使う感覚があまり馴染みません。

長く使える登山靴を探した結果、手製のオールレザー登山靴に行き着きました。

オールレザーの登山靴に興味があるけど、実際どうなんだろう?と気になっている方の参考になれば幸いです。

(そして、手製の登山靴職人さんが長くお仕事を続けてくれることを願っております。)



あなたの街の靴屋「Life with shoes」の店主。 (@Gennoji_LWS
国内外で靴作りをした元靴職人。
これまで一万人以上の足をみて靴選びのお手伝いをしてきました。
足に合った靴の選び方、印象を良くする靴のお手入れ、靴を長持ちさせる付き合い方をお伝えします。