お手入れを欠かさず、物を長持ちさせている人って素敵ですよね。
靴のお手入れに関しても同様で、しっかりとお手入れされた靴を履かれている人はそれだけで信頼感がありますし、まったくお手入れされていない靴を履いている人はそれだけでマイナス印象を与えます。
しかし、革靴のお手入れって難しそう!って思われている方が多いようです。(様々な媒体がお手入れを複雑化して伝えているせいだと思います。)
仕事柄、靴のお手入れについて相談を受ける機会が多いのですが、まず最初に言っておきたいのは「革靴のお手入れって、そんなに難しくないですよ。」ということです。
Gennojiです。
今回はこれから革靴のお手入れを始めたいと思っている人に知って欲しいことについてお話しします。
革靴のお手入れの9割はブラッシングだけ
「え、それだけ?」
「クリーナーとかクリームも使うんじゃないの?」
不安になる気持ちは分かります。
せっかく買った革靴を長持ちさせる為に本格的なお手入れを始めたいと思ってるのに、そんなに簡単でいいはずがない!
そう思うかもしれません。
しかし、けっして楽なお手入れ方法を紹介しようと思っているわけではありませんよ。
革靴を日常使いしながら、出来るだけキレイに長持ちさせることを目的としたお手入れの話です。
確かに、革靴のお手入れについてネットなどで調べると ブラッシング→クリーナーで汚れ落とし→クリームで保湿→ブラッシング→仕上げ磨き というような手順を説明しているものが多いかと思います。
こういった情報を受け取ると、毎回この手順でお手入れする必要があると思ってしまうのも無理はないと思います。
こういったお手入れの説明の多くは、各工程の重要度や頻度の説明が全く足りていません。
その為、お手入れの度にクリーナーを使わないといけないと思っている方や、靴を履くたびにクリームを入れた方がいいと思っている方も少なくないです。
前回のブログでも靴を過保護にしてはいけないとお話ししました。クリーナーやクリームを頻繁に乗せられた革は、コシが無くなり革表面の耐久性も落ちます。
私が革靴のお手入れに充てている時間割は、ブラッシングが9割、クリームによる保湿が0.5割、その他が0.5割といった感じです。
ブラッシングだって、慣れたら両足で1分もかからないでしょう。履くたびにブラッシングをしたとしても大した手間ではないはずです。
これだけでホコリや汚れは付きませんし、艶だって出ます。
それで数ヶ月に一回、ちょっとブラッシングだけでは艶が鈍ってきたかな〜?と感じた時にはじめてクリームをちょこっと使う。クリーナーなんて余程のことがないと使いません。
これから革靴のお手入れを始める方は、アレコレ手を出す前にまずブラッシングだけは続けましょう。
それだけで9割方のお手入れが出来ていると思えば、気楽に続けられそうじゃないですか?
【革靴のお手入れ】シューケア用品よく使うもの・あまり使わないもの
「靴のお手入れ」と「靴磨き」は別もの
最近、革靴のお手入れに興味を持たれた人の中には、何かの機会で「靴磨き」というものに触れて憧れを抱いたという人もいるんじゃないでしょうか?
私も初めてワックスを用いたポリッシュ(鏡面磨き)を目の当たりにした時は、憧れて一生懸命練習したのを覚えています。
そういった靴をピカピカに光らせる「靴磨き」は、革靴の楽しみ方の一つだと思いますし、興味を持たれたのなら趣味として楽しまれるのも良いと思います。
ただ、「靴のお手入れ」と「靴磨き」が同じものだとは言えません。
靴をより長持ちさせる為のお手入れと、靴をピカピカに磨いて見栄えを良くする靴磨きは目的が違うからです。
革靴を持ってる人がみんな靴をピカピカにさせる必要はないですし、靴のお手入れの基礎を知らずに靴磨きにばかり取り組む人は、単に革靴を消費しているに過ぎません。
お持ちの革靴を長く愛用したいなら、まずは基礎のお手入れから始めましょう。
お手入れより使い方とサイズ選び
どんなにお手入れを施したとしても、靴の使い方とサイズ選びが間違っていれば靴は確実に傷みます。
逆に靴の使い方とサイズ選びを心得ている人は、さほどお手入れに力を入れなくても、靴を長持ちさせることが出来ます。
使い方というのは、例えば靴を履く時は紐を解く、シューホーンを毎回使う、紐はしっかりと締める、天候に合った靴を選択するということです。
サイズ選びに関してはここでは深くは触れませんが、多いケースで言うと大きすぎるサイズを履いている為に、深くシワが入る、中で足が動くので局所的な負担が増える、つま先が削れる、カカトが擦れる、ソールの磨耗が早まるということが起きます。
また最近は、極端にサイズを落として履いている為に靴の負担が増えているケースもあります。
最後に
今回はこれから革靴のお手入れを始めたいと思っている人に知って欲しいことというテーマで書いてみました。
最初にも言いましたが、革靴のお手入れ自体は決して難しいものではないということ。
その根本を理解して頂ければ、革靴のお手入れについて多く出回る情報に流される事なく革靴を愛用出来るのではないかと思います。